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下川

和牛のステーキ部位ガイド:最適な選び方と楽しみ方を紹介


和牛のステーキ

肉の味をダイレクトに味わえるステーキ。ステーキを食べるとき、どの部位を選びますか?シンプルな調理方法だからこそ、部位選びが重要です。


一口に「和牛のステーキ」と言っても、部位によって味わいや食感はまったく異なります。ここでは、和牛ステーキの部位ごとの特徴と魅力について探っていきます。


せっかく和牛のステーキをいただくのなら、最適な部位を選び、自分好みの味付けを開拓したいものです。


和牛のステーキ 部位別の特徴や味わいを解説

ステーキに適したお肉の部位について、部位別の特徴や味わいを紹介します。和牛は部位ごとに肉質や味わいが大きく異なります。ここでは、ステーキとして主に使用される代表的な5つの部位について、その特徴を詳しくご紹介します。


和牛の部位

シャトーブリアン

「シャトーブリアン」は、牛1頭からわずか600g程度しか取れない、牛肉の中でも最も高級で希少な部位です。この部位は、牛ヒレ肉の中央部分に位置する特に肉質の良い部分(大腰筋)にあります。その名前は、18世紀後半のフランスの政治家シャトーブリアンがこの部位を好んで食したことに由来すると言われています。


シャトーブリアンは、運動量が最も少ない部位であるため、非常に柔らかく、きめ細やかな肉質を持っています。一般的に柔らかい肉には脂身が多いのが特徴ですが、シャトーブリアンは脂肪が少なく、それでいて柔らかいという希少な部位です。


この部位は、厚くカットしても柔らかいため、ステーキに最適です。ただし、肉質が繊細で、火を通しすぎるとパサパサになりやすいため、焼き加減には注意が必要です。

脂の少なさ

★★★★★

肉質・柔らかさ

★★★★★

希少性

★★★★★

適している料理

ステーキ


ヒレ

サーロインの内側に位置し、腰椎の骨を挟んで隣接する牛肉の最高級部位がヒレ肉です。ヒレ肉はさらに、お尻側の「テート」、中央部分の「シャトーブリアン」、そして先端側の「フィレミニヨン」に分けられることがあります。


この部位はほとんど運動しない筋肉であるため、牛肉の中でも特に食感が柔らかく、赤身の旨味に溢れた肉質を持っています。


ただし、繊細な肉質のため、取り扱いや火加減には注意が必要です。変色が早く、火が通り過ぎるとパサパサになり、風味も損なわれてしまいます。


ヒレ肉本来の美味しさを堪能するためには、できるだけレアに近い焼き加減で召し上がることをお勧めします。

脂の少なさ

★★★★★

肉質・柔らかさ

★★★★★

希少性

★★★★☆

適している料理

ステーキ、


サーロイン

サーロインは、腰椎に接する腰の部位で、ロースの中でも特にきめが細かく、柔らかい肉質が特徴です。その美味しさから「サー(貴族の名につける敬称)」の称号を与えられたことが、サーロインという名前の由来です。


サーロインはリブロースよりも余分な脂が少なく、細かく入ったサシが上品な脂と赤身の旨みを楽しめる部位です。ステーキでその美味しさをぜひ味わっていただきたいです。


また、骨が付いたままの状態でカットされたTボーンステーキ(ヒレがついているもの)や、Lボーンステーキ(ヒレを外したもの)も、豪快さが人気です。骨周り特有の旨味が加わり、さらに美味しさが増します。

脂の少なさ

★★★☆☆

肉質・柔らかさ

★★★★★

希少性

★★★☆☆

適している料理

ステーキ、グリル料理、焼き肉


ロース

日本では「ロース」と呼ばれる部位は「肩ロース」「リブロース」「サーロイン」の3つを指します。


リブロースや肩ロースには「ロース」という言葉がついていますが、サーロインにはなぜ「ロース」がついていないのかというと、英語の呼び方と意味、日本で使われている呼び方と意味が混ざっているためです。


日本語の「ロース」という言葉の語源は、英語の「ロースト」から転訛(てんか)したもので、「ローストに適した部分」という意味があります。


肩ロース

ロースと呼ばれる部位の中で、肩ロースは最も首に近く、肉塊が大きい部分です。肩ロースは適度に脂肪を含み、柔らかく、赤身の旨味が濃いのが特徴です。その大きさから、すき焼きなどにおすすめの部位です。


肩ロースは、肉質の違いによっていくつかの部位に分けられます。ロース芯はステーキ用に、ザブトンは焼肉用に適しています。


これらは様々な料理に使用できますが、ネック側や体表側にかぶさる肩こぶと呼ばれる部分や、バラ側の肋骨と接する部分は硬い食感のため、カレーなどの煮込み料理に使うのがおすすめです。

脂の少なさ

★★★☆☆

肉質・柔らかさ

★★★☆☆

希少性

★★☆☆☆

適している料理

ステーキ、すき焼き、ローストビーフ、グリル料理


リブロース

リブロースは、ロースの中間(肩ロースとサーロインの間)に位置する部位です。この部位は、リブロース芯(リブアイロール)と、その外側にかぶさるカブリ(リブキャップ)に分けられます。


リブロース芯は、きめ細やかでサシが入りやすく、柔らかい肉質が特徴です。一方、リブキャップは脂に覆われていますが、その内側には旨味の強い赤身肉があります。


リブロースはステーキ用として特に人気の部位ですが、大きな判が取れるため、すき焼きやローストビーフにもよく使われます。

脂の少なさ

★★★☆☆

肉質・柔らかさ

★★★★☆

希少性

★★★☆☆

適している料理

ステーキ、グリル料理、ローストビーフ、すき焼き


ランプ肉

ランプは、牛の下腰部から取れる部位で、赤身ながらも旨味が強く、肉質が柔らかいのが特徴です。それでいて、サーロインやヒレ肉よりも価格が安いため、非常に人気のある部位です。


ランプは適度に脂身も含んでいるため、ステーキ、焼き肉、すき焼き、たたきなど、幅広い料理に使えます。


特に、厚切りにカットしたステーキにすると、赤身の旨味を存分に堪能できるため、おすすめです。


また、ランプは「ランナカ」と「ランボソ」に分割することができ、「ランボソ」はランプの中でも特に美味しいとされる部分です。


さらに、ランナカの内側には「ランカブリ」と呼ばれる薄い筋肉があり、その内側には超希少部位である「ネクタイ」が隠れています。「ランカブリ」は筋が多めですが、濃い味わいがあり、「ネクタイ」は鉄分の旨味が強いことが特徴です。

脂の少なさ

★★★★☆

肉質・柔らかさ

★★★☆☆

希少性

★★☆☆☆

適している料理

ステーキ、焼き肉、ローストビーフなど


和牛の産地による違い


和牛の産地

和牛は、国内で流通する98%以上が黒毛和種です。そのため、和牛といえば一般的に、黒毛和種に代表される脂身やサシのイメージが強いかもしれませんが、和牛には黒毛和種を含め、褐色和種、日本短角種、無角和種の品種があります。ここでは、それぞれの種類と味の特徴をご紹介します。


和牛の代表的な品種である黒毛和種は、脂肪が入りやすく、口どけの良い霜降り肉が特徴です。一方で、サシが少なく、水分量の多い赤身肉で、肉質の旨味がダイレクトに伝わる無角和種など、味わいの幅は大きく異なります。


黒毛和種以外の和牛は流通量が少なく、希少性の高いものもあります。取り寄せをしたり、それを扱っているお店で、ぜひ食べ比べをしてみてください。


産地ごとに異なる味の特徴

和牛種類

銘柄

主な産地

肉質の特徴

黒毛和種

松坂牛、神戸牛、米沢牛、但馬牛、近江牛 などブランド和牛の多くが黒毛和種。

全国で飼養されているが、生産量トップは鹿児島県で全国の約20%を占めている。

脂肪が入りやすく、水分量が多く柔らかい肉質。和牛香ともいわれる特有の甘い香りがあり、口に入れると溶けるような柔らかさが特徴です。赤身に乳白色の脂肪が霜降り状に入り、最高級の和牛として高く評価されています。

褐色和種

くまもとあか牛、土佐あか牛、すだち牛など。

熊本県、高知県、北海道、東北地方など

赤身肉に適度な脂肪が含まれており、口に入れると柔らかく溶けるような食感があります。特に、霜降り部分の脂肪酸のバランスが良いとされています。

日本短各種

いわて短角和牛など

青森・岩手・秋田・山形など東北地方が中心

褐色和種の肉質に類似し、赤身と脂肪のバランスが良いのが特徴です。

無角和種

特定の銘柄は無いが「無角和牛肉」として流通

山口県阿武郡

サシが少なく水分の多い赤身肉。ダイレクトに肉本来のうまみが強いのが特徴です。


最適な部位の選び方


部位の選び方

自分好みの最適な部位を選ぶためには、ステーキの部位選びが非常に重要です。さまざまな部位がある中で、どれを選べば良いのか迷ったり、好みの味や食感でなかったらどうしようと悩んで、結局いつも同じオーダーをしてしまうことはありませんか?


牛肉は部位によって味や食感が全く異なります。


大まかに分けると、ジューシーで濃厚な「サーロイン」や「ロース系」、そしてさっぱりと食べられる「赤身系」に分けられます。


サーロイン、ロース系

リブロースや肩ロースなどのロースの部位やサーロインは、適度に脂身を含んでいます。肉質が柔らかく、全体的に霜降りが多いので、サシを楽しみたい方にはこれらの部位のステーキがおすすめです。特にリブロースは、脂身に甘みがあり、肉質がきめ細かく柔らかいため、サーロインと並んで美味しい部位とされています。肩ロースは、ほどよい食感があり、噛むほどに牛肉の旨みを感じられます。


さっぱりとした赤身系

ヒレやランプは、上質な赤身肉です。霜降りが少ないため、脂肪分は控えめで、しっとりと柔らかい肉質が特徴です。脂身が少なく、さっぱりといただけるため、最近では赤身肉に注目が集まっています。低脂肪・高タンパクでヘルシーなことも、あっさりとした味わいが好まれる理由の一つです。


特にヒレは、1頭からわずか3%ほどしか取れない希少な部位で、非常に柔らかい肉です。その中でも、さらに中心部分だけを使ったものが「シャトーブリアン」と呼ばれ、最高級の部位として提供されます。


ヒレ肉は、ほとんど運動に関わらない部位のため、特に柔らかく、筋が少ないことから、上品な味わいをお楽しみいただけます。


ただし、繊細な肉質のため、火が通り過ぎると水分が飛んでパサパサになり、風味が損なわれてしまいます。そのため、ヒレ肉のステーキはレアの焼き加減がおすすめです。


部位ごとのカロリーの違いは?

一般的に「和牛=美しい霜降り肉」というイメージが強く、そのため和牛はカロリーが高いと思われがちです。健康やダイエットを意識して、低カロリーの食事を心掛けている方の中には、和牛のカロリーを気にしている方もいらっしゃるでしょう。


しかし、牛肉には良質なたんぱく質が豊富に含まれており、健康のためにも美味しく取り入れていただきたいものです。ここでは、各部位ごとのカロリーについてご紹介します。ご自身の体調に合わせて、適した部位を選んでみてはいかがでしょうか。


各部位ごとのカロリー

和牛は選ぶ部位によってカロリーが異なります。ご自身の体調に合わせて、美味しいステーキを楽しむための参考にしてください。


ここでは、文部科学省が発行している食品成分データベースから、100gあたりの生肉の部位別カロリーをご紹介します。

部位

ヒレ

サーロイン

赤肉/生

207Kcal

294Kcal

皮下脂肪無し/生

-

422Kcal

脂身付き/生

-

460Kcal

部位

肩ロース

リブロース

赤肉/生

293Kcal

395Kcal

皮下脂肪無し/生

373Kcal

502Kcal

脂身付き/生

380Kcal

514Kcal

脂身/生

674Kcal

部位

ランプ

赤肉/生

196Kcal

皮下脂肪無し/生

293Kcal

脂肪付き/生

319Kcal

※「赤肉」は皮下脂肪と筋間脂肪(肉の中に筋状に走っている脂肪)を取り除いた状態。

※「皮下脂肪なし」は皮下脂肪を取り除き筋間脂肪(肉の中に筋状に走っている脂肪)は残した状態。

※「脂身つき」とは、皮下脂肪(牛の皮膚の下に付いている脂肪)も筋間脂肪(肉の中に筋状に走っている脂肪)も付いた状態。



ステーキを楽しむためのヒント


ステーキ

ステーキ用のお肉を買ったけれど、どのような味付けにしたらいいのか悩んだことはありませんか?


牛肉には多くの部位があり、脂の入り具合や味わいもさまざまです。それぞれ違うお肉なのに、いつも同じような味付けでステーキを楽しんでいる方も多いのではないでしょうか。いろいろなスパイスで食べ比べてみると、新しい楽しみが広がるでしょう。


おすすめのスパイスや調味料

ステーキの味付けとして最も人気があるのは塩と胡椒です。ステーキの美味しさをさらに引き出すためには、塩や胡椒にもこだわると、味わいが一層広がります。市販の塩や胡椒でも十分美味しく調理できますが、こだわりの塩や胡椒を使うことで、より豊かな風味を楽しむことができます。


塩には岩塩、海塩、湖塩など、世界中でさまざまな種類があります。一般的に牛肉に合う塩を選ぶ際には、鉄分を多く含むピンク色やオレンジ色の岩塩が相性が良いとされています。


ただし、和牛は水分が多く、繊細な味わいを持っているため、海塩との相性も非常に良いとされています。


牛肉は部位によって味わいや肉質が大きく異なるため、その点を考慮して塩を選ぶことで、ステーキの美味しさがさらに引き出されます。


サーロイン、肩ロース

脂身の多いサーロインや肩ロースなどの部位には、塩味が強い塩を選ぶと相性が良いでしょう。脂身が多い部分は味が濃厚なので、それに負けない塩を使うことで、脂がさらっとし、口当たりがさっぱりとします。


ヒレ、ランプ

赤身の多いヒレやランプでは、塩味がまろやかな塩を選ぶと相性が良いでしょう。塩味の強い塩を使ってしまうと、肉の味よりも塩味が勝ってしまうため、注意が必要です。


また、胡椒はステーキに独特の風味を与える香辛料です。胡椒の辛みが旨味を引き立て、食欲をそそります。胡椒はお肉を焼く前の下味としてかけることが多いですが、焦がしてしまうと苦味が出るため、注意が必要です。苦味やえぐみ、焦げ臭さを避けるために、強火で手早く火を通すか、焼き上げてからかけると良いでしょう。


おすすめのつけあわせ

ステーキをいただくとき、つけ合わせの野菜選びには彩りや調理方法など、さまざまな要素があります。今回は、一緒に食べることで栄養効果を高める食材についてご紹介します。上手に食べ合わせることで、より良い効果を期待することができます。


牛肉×にんにく

アリシンとビタミンB1の相乗効果により、疲労回復をサポートしてくれる栄養アップの食べ合わせです。ステーキによく使われるにんにくには、アリインという成分が含まれています。アリインは刻んだりつぶしたりすることでアリシンに変換されます。アリシンはビタミンB1の吸収を高める働きがあり、牛肉に含まれるビタミンB1と一緒に摂取することで、その吸収がさらに高まります。ステーキではにんにくをスライスして一緒に食べるのがおすすめです。


牛肉×トマト

トマトに含まれるリコピンは強い抗酸化作用を持ち、油と一緒に摂取することで吸収率が高まります。牛肉とトマトを一緒に炒めることで、リコピンの吸収率がアップし、抗酸化作用による美肌効果やアンチエイジング効果が期待できます。さらに、牛肉には肌に良いとされるたんぱく質やビタミンB6が含まれているため、牛肉とトマトは美容効果が期待できる組み合わせといえるでしょう。


牛肉×じゃがいも

牛肉とじゃがいもは、薬膳的な観点からともに消化器の働きをサポートする作用があります。一緒に摂ることで、胃の粘膜の維持や健康維持に良いとされています。また、じゃがいもに含まれるビタミンCは、牛肉に含まれる鉄の吸収をサポートします。じゃがいものビタミンCは加熱に強く、炒めても損なわれにくいという特徴もあります。


まとめ

今回の記事では、各部位の特徴や味わい、さらには品種ごとの違いについて詳しくご紹介しました。ステーキ肉の部位を理解することで、お肉選びが大きく変わることでしょう。ステーキを楽しむ際には、ぜひ今回の情報を参考に、自分好みの部位を選んでみてください。


牛肉料理しもかわでは、唯一無二の牛肉を求め続けてきた「牛肉のプロ」のオーナーシェフが厳選した希少種の無角和種の阿武牛、また在来種で和牛のルーツである見島牛などを使用したメニューをご用意しております。


練馬区の大泉学園駅から徒歩圏内にお店がございますので、お時間ございましたら、ぜひお気軽にご来店ください。お電話・フォームからのご予約も承っております。

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